[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


弁望!!
またやらかしました。はい。
今回はヘタレすぎるおまけ付きです。

愛情だけはたっぷり詰ってます。
あまりラブラブではないですが・・・・(汗

では、どうぞ。


↓おまけ↓


「望美さん、あまり陣の外へ出るのは関心出来ませんね。」
彼女を探してここへ来て、最初に見たのは彼女の後姿だった。
しばらくしてから振り返り僕を見る。

涙の残った顔でにこっと笑って見せた。

「望美さん・・・・?」
「弁慶さん!・・・ごめんなさいっ」

顔を覗き込む前に顔を伏せるように頭を下げる。
「・・・・・・何か・・・あったようですね。」
「・・・・・」
顔を上げてふるふるっと頭を振る。

僕はふう・・・ため息をついて彼女を引き寄せる。

「・・・・!弁慶さんっ・・・」
小さい抵抗。
「望美さん、僕には話せない事ですか・・・?」
「・・・・・・」

聞くと抵抗を止め、しばらく沈黙があった。

「誰にも言わないで下さいね。」
「・・・はい、お約束しましょう。」

彼女をぎゅっと抱きしめる。

「私、人の・・・誰かの・・・・命を奪ってしまうのが・・・・・怖くて・・・・・」
彼女の世界は少なくとも自分の住んでいた所は戦が無くて平和だと言っていたのを思い出す。
抱きしめている所為で彼女の身体が少し震えているのが分かる。

戦場に立てば迷いは命取りになる。
だから考えない。
けれど、こうして戦が終わると幾人もの犠牲が思い出されるのだろう。

「そう・・・でしたか。」

そうだ、彼女も普通の女性なのだ。
本来ならこんな戦に出ることもないはずの人だ。

「こんな事言ってちゃ・・・駄目だって・・・・分かってる。けど・・・・。」

とうとう涙が溢れ出した。
相当我慢していたのだろう。

一人で、強がって。
龍神の神子だからと崇められ強くあるのはどれだけ辛かったのだろう。

自分も度々、彼女が普通の女性である事を忘れてしまう。
それが彼女を苦しめていたのだ。

「・・・・何も・・・言わないで。」
僕が出来るのはただ彼女を抱きしめる事。

「すみません、あなたが辛い思いをしているのに気付いてあげられなくて。」
彼女は僕の言葉に無言で頭を振る。
「あなたをこんな事に巻き込んで、苦しめているのは僕だ。」
「・・・・弁慶さんの所為じゃない!違います。私は自分で選んでここにいるんです。」

「・・・・・・・・君は・・・・本当にいけない人だ。」
僕を甘やかさないで下さい。
貴女のその優しさに思わず許されたような気がしてしまう。

それは叶う事ではないのに。

彼女の髪をさらっと梳き、頭を引き寄せると前髪に口付けを落とす。

「弁慶さん・・・・・」

彼女が僕を見上げる。
桜色の頬を伝う涙が月の光に輝く。

そっと頬を撫でて拭ってやる。

「望美さん、本当に巻き込んでしまってごめんなさい。
けれど、今、源氏には貴女の力が必要です。
君の悲しい時や苦しい時は僕がこうして傍にいます。
どうか・・・・力を貸してください。」

どれだけ残酷な事の、念を押したのか・・・・自分でも分かっている。
けれど、彼女が元の世界へ帰る為にも戦を終わらせる為にも龍神の神子の力が必要なのは明確だ。

「弁慶さん・・・・分かっています。私がやらなくちゃいけないんだって。
私が選ばれたのは何か理由があるんだって。だから、どれだけ苦しくても私は戦います。」

「望美さん・・・・」
強く抱きしめる。
「ありがとうございます。」

それしか言えなかった。
そんな僕に彼女は一言。

「弁慶さん・・・・あまり自分を責めないで下さいね。」

それだけ言うと僕から離れる。

「弁慶さん、本当にありがとうございます。」
にこっと笑う。
いつもの彼女だ。

あの笑顔の下にどれだけの涙を隠してきたのだろう。
彼女が戦わなくて良い方法は今のところ無いに等しい。
「・・・・・僕に・・・もっと力があれば・・・・」
八葉・・・それがどれだけ神子を守れるのか。

月の光を浴びて輝く宝玉をみて呟いた。






―――――――
はい、そんなわけで弁望でした。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
そしてヘタレでごめんなさいorz
弁慶さんの色っぽさとか、頭の良さとかどうしたら出せるんでしょうか。

望美はですねー紅の月見てて思ったんです。
普通に斬ってますよね。
でも、望美も普通の現代の女の子だし・・・・
きっと苦しい思いをしてたんじゃないかって。

弁慶さんとの関係はご自由に想像して下さって構いません。
私の拙い絵と文章ですが・・・(汗)少しでも弁望を楽しんで頂ければ嬉しく想います。はい。